契約キス

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緩やかな時間が経つ 土日、のどちらかの時間だけ短い 中一の夏僕はいつものように図書館の桜のしたへ向かう 白いワンピースの彼女は風に裾を遊ばせ、木陰にいた。 その日、風が気持ちよく彼女は秘密の場所に行こうと誘う、 山は木陰に覆われて涼しく、気持ち良かった。 カレンが秘密の場所にあるとてもおおきな切り株にぺたり座る。 それは、もう森の木霊のような、妖精のようだった。 卒業式に歌った歌を口ずさむ。 変声期の僕少しづつ高い声が出なくなり 彼女が羨ましかった。 図書館は歌を歌えないかといえ彼女はおこずかいなんて、もらってない。 だからカラオケなんて、友達と行ったことない、僕以外と土日のどちらかで、習い事のペン習字と学校以外は外でない、 箱入り娘同然だった。 歌い終わり、僕を見つめにこりと微笑む 彼女は口開く さようならしなきゃならないって 今度の水曜日、私は家族につれられて引っ越すの 彼女は頬に涙を這わせる 約束を私は信じてる、忘れないうちに 今会えなくても、大人になればいつか会えるってだってソラはカレンの悪魔なら逃れることはできないよね。 なら、待ってる。 手紙落ち着いたら書くね、 僕は彼女を押し倒した彼女は怯えたようにいる。はっとした、けど止める気もしなかった そっとキスを交わす、彼女の服のなかに僕の這う手、 僕は本能に従い続けた結果 彼女を泣かせた。 本気で襲いかけて彼女はいやがった。 罪悪感を覚え、彼女の側に一緒に座り抱き締めた、彼女は言う、私の体が好きなの?心なの?本当の意味で貴方は私を守れてない、と。 もうしないって言って謝る僕はお昼になるまでカレンの事を離さないで、ただ抱き締めたいた。離せば会えなくなる気さえしたから。 もう、会えないそれが悲しくて仕方ない。僕は彼女の帰る後ろ姿、側にいる時のよこがお、ファーストキスを交わす時のカレン…脳裏に浮かんでは消える。 寂しくて切なくて何より会えない苦しさが、辛い僕は後悔した。嫌われたのではないのか、そう思うと涙が止まらない 家に帰り着いた時、僕は部屋にとじ込もって泣いた、食事さえあまり喉に通らなかった。
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