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普段通り慣れた道を勝家に連れられ歩く二人。
いつもと違うのはこの平成のこの世にはありえない服装をしている鎧を着た兵士達。
その道中に転がる複数人の死体。
その中には鎧を着たままの人やカジュアルな服を着た人もいる。
-信長…勝家…鎧…-
義樹は歩きながら先ほどから出ている単語を繋ぎ合わせ今自分達には何が起きているのか考えた。
信明に目をやると放心状態という感じだった。
「ここだ、入れ」
勝家は布の幕をめくりその中へ二人を入れさせた。
中には両サイドに片膝をついて座る武士達。
その中央の奥で小さな椅子に座る
信長と呼ばれた男がいた。
「きたか」
信長は二人を見るとニヤリと笑い
立ち上がった。
「勝家、下がれ」
「はっ」
勝家は信長に言われると両サイドの武士と同じように片膝をついて座った。
「名を申せ」
信長は二人に名前を聞いた。
この男に喋りかけられたら口が勝手に開いた。
「今川義樹…です」
義樹が名前を言った瞬間その場にいた信明以外の武士が殺気を放った。
「はっはっは!お主今川の者か」
「は、はぁ」
義樹は何がなんだか
理解できてなかった。
「そやつを縛り上げろ」
信長の命令により義樹は縄で拘束されてしまった。
「して、お主名をなんと申す」
「織田…信明」
「貴様!!嘘を申すな!!」
信明の発言に勝家が鬼気迫る顔で信明の胸ぐらを掴んだ。
「よせ勝家。嘘をついている様子でもない、偶然という可能性もある」
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