*Act.1

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あたしは、石のように固まっていた。 もう、呆れが宙返りをして、二の句が継げない。 嗚呼、後頭部を金の金槌で殴られたかのような衝撃。 きっと、あたしの目の前で呆然と立ち尽くしている彼の方が、予期していなかった事態だったと思う。 あたし、今屋上で思いを寄せていた九条君に告白されたよね? そして、両想いになったんだよね? あれ? おかしいなぁ。 もう一度確認するけど、九条君はあたしの目の前にいるよね? なら、何故あたしは背後から腰を引き寄せられている? ……この腕はナンデスカ?
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