第6話

3/3
前へ
/84ページ
次へ
神野は悪い夢でも見ているような気分になっていた。きっと目が覚 めたら終わる・・・・・・そう思い込もうとしていた。 署に着くと、警部は真由美も署まで呼ぶように部下に命じた。昨 夜、神野の家に真由美が来たところを、張り込んでいた部下が目撃し ていた。事件が起こった以上、なぜ真由美が神野の家に行ったのか、 神野に何か変わった様子がなかったかを聞く必要がある。 部下が真由美の家に向かうのを見届けると、警部は取り調べ室で神野の 尋問を始めた。放心状態の神野に警部が言った。 「大丈夫ですか? 話せますか?」 「・・・・」 「神野さん?」 「僕は犯人なんかじゃありません!」 「それは、調べればわかることです」 「・・・・・・」 「犯人じゃないことを証明するためにも、知っていることはすべて話してください」 神野は梨花の指の事を話すべきか迷った。 (話したら・・・・・犯人にされてしまう・・・・・)
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加