第7話

2/3
前へ
/84ページ
次へ
神野は、梨花の指のことを隠しても、逮捕されるのは時間の問題だ と思った。まもなく返事を調べに行った刑事に、庭に埋めた指を発見 されてしまうかもしれない。 取調室のドアをノックする音がした。神野の心臓が凍りついた。一 人の刑事が入って来た。 「本田警部。ちょっと・・・・・・」 何かを耳打ちしている。 (見つかったか・・・・・) だが、意外にも何も出なかったと言う。 「神野さん。これで容疑が晴れたわけではありませんよ と本田警部が言った」 (無実を証明するには、協力するしかない!) 神野は決心して、事件について、昨日から自分が考えていることを 語った。 「警部さん。おそらく、このdownという文字はダウンロードの 意味だと思うんです」 警部は黙って聞いていた。 「コンピューター用語でダウンロードは、ソフトなどを入手すると きに使う言葉です。ですからこれは、体の一部を入手する、そんな意 味で使われているのではないでしょうか?」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加