第8話

4/4
前へ
/84ページ
次へ
「真由美さん・・・・・昨夜、神野さんの家に行きましたね?」 「はい・・・・・・」 警部は本題に入った。 「神野さん、昨夜変わった様子はありませんでしたか?」 「ちょっとあわててましたけど。でも、たぶん私が突然訪ねていっ たからだと思います」 「どんな話をしたんですか?」 「僕も調べてみるから、事件のことは任せてほしいって。どう考え ても神野さんが犯人だと、私には思えないんです」 「家も調べましたが、何も出てきませんでした。ただ・・・・・・」 「ただ?」 「事件の前に被害者に送られたメールは、今回も神野さんのアドレ スから送信されているんです。ほかに証拠が見つからなければ、神野 さんが有力な容疑者であることは間違いありません」 「そんな・・・・・神野さんは、誰かがアドレスを悪用しているんだと言 ってました。私もそう思います」 「・・・・・わかりました。その件についてはこちらで調べます」 真由美は、ふと昨日の神野の言葉を思い出した。 「僕も調べてみるから・・・・・・」 (もしかしたら、私にも何か手伝えることがあるかもしれない。お姉ちゃんのためにも) 真由美は警部に別れを告げ、急いで神野の家に向かった。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加