プロローグ

2/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「新入生諸君。入学おめでとう。我が三間坂(みまさか)高校は、100年の歴史がある学校であり……」 校長先生の話は、大抵意味が無い上に、話が長いとか言うけど、 うん。その通りだ。 十五分は聞いてるぞ。 もう飽きたわ。 俺は『高崎幸路(たかさきゆきみち)』、今日から、この三間坂高校に入学した新入生だ。 みんな大好き週刊少年ジャ○プを愛読し、特にワン○ースがお気に入り。 中学時代ではサッカー少年だったが、補欠扱いだったため、無駄に体力がついてしまった。 勉強は中の……下、かもしれない。 まぁ、俺の自己紹介はこれくらいか。 ホームルームが終わり、教科書を受け取ってから、 教室には顔なじみが居た。 「やぁやぁ!久しぶりだねユッキー!」 「ん?千里(ちさと)か。つーか、ユッキーって呼ぶのやめてくれ、マジで」 こいつは小学校からの長い付き合いがある『千町千里(せんちょうちさと)』。 ほっそりとした体型に、黒髪ロングからアンテナのように飛び出たアホ毛が特徴、一部の男子からは人気がある。 「ユッキー。部活どうする?やっぱり中学やってたサッカーとかでいい?」 サッカーをまたするのも嫌だな。 なんと言っても練習がめんどい。 よし、文化部に入ろう。 「ユッキー、ちょっと聞いてる?」 「……あぁ、すまん。俺文化部に入るわ」 「えぇっ!?未だにわたしから王将を取った事ないのに!?」 うるせー。それを言うなそれを、 千里は将棋の天才で、地区大会では優勝している程だ。 おかげで一度も勝った事がない。 「いいよ。何なら帰宅部でも入ってやるよ」 「はいはい。拗ねないの」 「拗ねてねーよ」 ほんとは拗ねてるけど。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!