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「あぁそうそう。そういえばユッキーは知ってる?」
「ん?なんのことだ?」
偶然にも、席は隣だった為、軽く対談していた時、千里が話を唐突に変えてきた。一体なんだ?
「山ノ内(やまのうち)公園に現れる怪物だよ」
「怪物?くんじゃなくて?」
「いやいや、怪物だよ。ただの」
おふざけはここまでとして、とりあえず千里の話を聞く、
この三間坂町にある森の中にひっそりとある山ノ内公園には、
夜中になると怪物が現れるという噂があった(俺は知らなかった)。
しかし実際に見た者はおらず、噂が噂をし、こんな所まで広がっていた。
…………なるほど、
馬鹿馬鹿しい。
俺は席を立った。
「悪いが、俺はそんな馬鹿げた話を信じることは出来ないね」
「そんなぁ、そんなこと言わないでよ~」
ぶー、と口を尖らせる千里。
「つーか今日は帰らせろ。ジャン○読みたい」
「ふふん!そうは行かないよ!」
千里は素早い動きで、俺の前に立ちはだかる。
忍者かお前は。
「今日は入学祝いとして、ウチん家でパーティしようと思ってるんだ!もちろんユッキーもいっしょ!」
「勝手に決めるな。つーかお前の言う、よっちゃんとやーさんを呼べ」
「誘ったんだけど、生憎二人はバイトで居ないんだ。だから実質わたしだけ!」
一人ぼっちか、それはそれでさみしいな。
しかし、
「今週はワン○ースが気になる。だから帰らせて貰う」
「パーティよりジャ○プ!?なかなか辛辣だなぁ!」
二人だけのパーティだなんてつまらないだろ。ていうかさみし過ぎるわ。
最低でもあと二人は必要だぞ(例のよっちゃんとやーさんの事だ)
「でもさみしいよぉ……一人でやるなんてさみし過ぎる……」
「…………」
やめろ。そんな子犬のような目でこっちを見るな。
あぁーやめろ!
ほんとにやめろ!断りにくいだろちくしょー!
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