3話

4/11
93人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
そこまで考えたとき、後ろの気配がさらに近くなりました。 (取り敢えず何かキッカケがないと動けない…どうしよう…) 私が焦っていると、その気配を察したのか気配がさらに近づいてきました。 その時 ─パキッ 気配が木の枝か何かを踏んだのです。 (今だっ!) 私はこれを合図に一気に走り出しました。 本来なら肉体強化を施すか風魔法、もしくは雷魔法とかを使って逃げるべきなのでしょう。 けど、今の私は普通の精神状態じゃありません。 まともに魔力を練ることなどできるはずもありません。 無駄に魔力を練れば体力も失いかねません。 そんなリスクを背負えるはずもなく、私はなんの補助もない状態で走りました。 しかし、ある程度鍛えているとは言えただの人間である私がただ走るだけで撒けるわけもなく。 どんどん気配は近づいてきて、私は覚悟を決めました。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!