深紅の薔薇

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 いつものように、父について公爵家を訪れた僕は、螺旋階段を降りる彼女と出くわした。  互いの目が合い、あまりの緊張感に僕は動けなくなってしまった。  すると、彼女はまるで蝶のように軽やかな足取りで、階段を降りると、僕の目の前まで来て、にっこりと微笑んだ。 「貴方が、葛城伯爵のご子息ですね。良かったらお友達になりません?わたくし、貴方をとても気に入りました」
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