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と、僕の手をとると
「さぁ、わたくしの庭に参りましょう」
と、無邪気に駆け出した。
「ご覧になって!これがわたくしの庭よ。ここにはわたくしが本当に気に入った方しか招きませんの。男の方では貴方が初めてよ」
その庭に、僕は言葉を失った。一面に紅の薔薇が競うように咲き誇っている…。その血をも思わせる紅色と、むせかえるような薔薇の匂い。
「ねえ、美しいと思いませんか?」
そう言って彼女は無垢な瞳で僕をじっと見つめてきた。
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