恋のはじまり

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「私、ジャマみたいだから先行ってるね。」 そう言うと莉菜はさっさと歩いていってしまった。 「莉菜!待って!」 私が叫んでも莉菜の背中はどんどん遠ざかっていく。 このままじゃまずいよ… ちゃんと莉菜に説明しなきゃ! 私は走り出した。 「お…おいっ!志穂!?」 「ゴメン!白石君!」 私は莉菜に追い付いた。 「待って!莉菜!」 それでも莉菜は止まってくれない。 「待ってってば!!」 私は莉菜の手首を掴んだ。 「離して!」 「莉菜…聞いて…?」 「何!?白石君と一緒に仲良く来たらいいじゃん!『志穂』なんて呼ばれてさ…」 「違うの!昨日たまたま帰りに白石君と会ってね、それでちょっと喋っただけなの。『志穂』っていうのは向こうが勝手に呼んでるだけだよ。」 そこで莉菜の顔から怒りが消えた。
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