20人が本棚に入れています
本棚に追加
「私、ジャマみたいだから先行ってるね。」
そう言うと莉菜はさっさと歩いていってしまった。
「莉菜!待って!」
私が叫んでも莉菜の背中はどんどん遠ざかっていく。
このままじゃまずいよ…
ちゃんと莉菜に説明しなきゃ!
私は走り出した。
「お…おいっ!志穂!?」
「ゴメン!白石君!」
私は莉菜に追い付いた。
「待って!莉菜!」
それでも莉菜は止まってくれない。
「待ってってば!!」
私は莉菜の手首を掴んだ。
「離して!」
「莉菜…聞いて…?」
「何!?白石君と一緒に仲良く来たらいいじゃん!『志穂』なんて呼ばれてさ…」
「違うの!昨日たまたま帰りに白石君と会ってね、それでちょっと喋っただけなの。『志穂』っていうのは向こうが勝手に呼んでるだけだよ。」
そこで莉菜の顔から怒りが消えた。
最初のコメントを投稿しよう!