第1章 埋もれ木

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明くる日。 「なぁ、聞いた?今日、うちのクラスに転校生来るらしいよ。」 俺とコウイチはサッカー部だった。 その部活の早朝練習で顔を合わせるなり嬉しそうに話したコウイチ。 「なんだよ、ニヤニヤしやがって。気持ち悪い。」 「その転校生がなんと女の子でさ、超ーー可愛いらしいぜ!!」 朝からコウイチのテンションが高いのは毎度の事だが、今日はいつもの比ではなかった。 「あぁ、超ーー可愛かった…。」 俺はと言うと低血圧気味なので朝はどうも調子が上がらない。 そのせいで半ば機械的な返事だった。
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