~プロローグ~

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長野県のとある高校。 この辺ではそこそこの進学校で通っている。 田舎の公立高校で、冷暖房の設備は碌なものじゃない。 いたたまれなくなる暑さの中、箱詰めの御菓子のみたいに40人もの人間が教室に押し込められている。 教室中の窓を開け放ったって、大した風は吹き込まず、ただ肌を刺す様な日の光が射し込み、気違いの様に喧しく鳴く蝉の声が響いていた。
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