~プロローグ~

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「ヤバイよお前…尋常じゃないだろ、中村のあのキレ方。つかこの暑いなかでよく寝れるよな…。」 と、隣から声をかけてきたのは中澤浩一(ナカザワ コウイチ)。 コウイチとは幼稚園の頃から一緒だったから、かれこれ10年以上幼なじみという関係だ。 「問題ないよ、いつもの事だ。」 そう、いつもの事。 中村が俺に突っ掛かるのなんて、そんなに珍しい事ではない。 不穏当な発言で政治家がマスコミに叩かれるかのと同じ位頻繁だ。 「てかなんでお前が起こしてくれなかったんだよ、隣だろ!」 八つ当たりと自覚しながらも、声を荒らげずにはいられなかった。 「俺に当たんな!! お門違いも甚だしいわ!!」 「……。」 俺に返す言葉は見つからなかった。
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