下界

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下界

 世界は魔族と人間に二分されていた。  人間は魔族を恐れ、彼等を滅するべく教会の中でエクソシストという組織を立ち上げた。  エクソシストは勇者を排出し、勇者は魔族の王である魔王を倒す事を強いられていた。  魔界では群雄割拠が繰り広げられていた。魔王と言う王がいれど、実力重視の世界であった。  その群雄割拠の世界を統一し上げたのが前代の魔王であった。  前代の魔王は勇者とも和解したと言われている。  言われているだけで、事実は…違うのだが。  それから数百年は安泰が続いた。  世界の均衡が、己の地位が揺らぐ事を恐れた教会は魔族狩りを始めた。  魔族を狩れば賞金を与える、と言った物だ。  また、魔族も前代の魔王以上の魔王が見込めないまま、バラバラに散った。  これは、一人の魔王の小さな暇潰しの遊戯の物語。
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