Code.2『プロビデンス・アイ』

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 恐怖に触れたからなのか、女はこんな短時間で精神的に強くなるものかと、燐は驚愕した。 メモリーカードの映像を見て嘔吐した面影は一切残っておらず、堂々とした立ち振る舞いを演じていたからだった。 「ほう……」と裕二が小さく唸る。  常識に基づいた意見と個人の感情だけに頼った意見。その決着は、見るよりも明らかだ。 「……もう限界じゃないっスかね?」  止めは、それまで沈黙を貫いていた渡真利の言葉だった。 それを皮切りに裕二は深い息を漏らす。 同時に、終始浮かべられていた負の表情が消え去り、諦めの様な薄ら笑いの表情へと移り変わる。 「そうだ、な」  呟くその声にも、もう争いを増徴させるようなトーンはない。舌戦は、勝利と言っても過言ではない。  そして、求めていたその答えは、唐突に現れた。 「私達は、簡単に言ってしまえば、政府の人間だ」
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