Code.2『プロビデンス・アイ』

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「政府の人間?」 「そう。公安検査庁、と言う言葉は聞いたことあるかな?」  公安検査庁、政治経済に興味のない燐は、どこかで聞いたことがある。 しかしその機関の内容までは覚えておらず、首を二、三回横に振った。 「破壊活動防止法などの法令に基づいて、日本の脅威になる情報を収集・分析する情報機関だ。授業でやったろ」  呆れた様子で光太郎が言った。 常識を語るような素振りだが、美奈も頭にハテナマークが浮かんでいるようで安心した燐は「私達は、その中の治安維持組織の一員だ」と再び言った裕二の言葉で気を持ち直した。 「プロビデンス・アイ。それが私達の正体……とでも言うのかな?」 「プロビデンス・アイ?」  先程の公安検査庁はどこかで聞いたことはあったが、今度は確実に聞いたことのないワードだった。
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