Code.2『プロビデンス・アイ』

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「正体を明かしてくれてありがとうございました。これをもって、さっさと消えてください」  淡々と語る田畑。その視線が燐に向けられた。 〝いいよな?〟  そういっているような気がして、燐はうなずいた。信用出来ないが、信用するしか出来ることはない。 首を横に振る理由はない。その視線は光太郎、続いて美奈へと向けられる。二人ともやはり自分と同じ様にうなずいた。  田畑の手からメモリーカードが放たれる。空を舞ったそれは綺麗な弧を描き、まるで吸い込まれるように裕二の手に渡る。 もうこれで元に戻れる、学生だった、普通の生活に。  本当の意味の安堵が押し寄せる。しかし、 「確かに受け取った。それで、これから相談なんだが――」  続けられたその言葉で、ようやく晴れ始めた空に不安と言う黒い雲を憚らさせた。  もう止めてくれ――そんな願いは、現実でも振り出した雨の雑音で掻き消されてしまった。
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