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懐に入れた携帯電話のバイブレーション機能が起動したのを肌で感じると、エリー・イートインはそれを取り出し、画面を見た。
メール着信一件、先程メールアドレスを交換した男、渡真利と名乗った男からだ。
内容は至って単純明快、それでいて自分の求めている情報だった。
〝君の探している子、見つかったよ〟
その文章と共に画像が添付されている。ダウンロードし、その画像を開いた。
添付されていた画像は、どこかの研究室のようだ。
ところどころにある数台の見たこと無い機器が、この場所の存在意義を物語っている。
更に、情報のコンパクト化が進んでいる現代では珍しい、紙の記録媒体が床中に広がっており、お世辞にもきれいとは言えない部屋であることも、研究室ではないかと言う思いを加速させた。
部屋にいるのは、白衣の男、高校生くらいの男女が三人、スーツを着た男が一人。
そして、その傍らに、いた。
金髪の少女、自分の追い求めていた人物。
「見ーつけた」
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