Code.3『凶弾』

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 無理だ。そう判断するのに時間はいらなかった。 諦めの気持ちと共にため息を一つ大きく吐き出すと、狭い車内でどうにか体を動かし、懐にしまった携帯電話を見る。  メール、電話共に着信ゼロ。 「まだか……」 「何が?」  口に出す予定ではなかった言葉を思わず溢してしまい、しかもそれに質問を投げかけられたことによって燐は虚を突かれた。 「いや……いつもさ、母さんと父さんから、メールが来ないんだ」 「メール?」 「そう。いつも、火星の写真と一緒に、アッチで起きた出来事なんかを送ってくるんだ」 「へぇー」  興味無さ気に、半ば強制的に会話は終了する。 確かに他人にとってはどうでもいいことだが、不定期な報告をそれなりに楽しみにしていた燐にとっては、不安感を抱かせる結果となっていた。
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