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窓の外に視線を移しながら、最後に届いたメールの内容を思い出す。
最後に来たのは一週間前、正しい日は覚えていない。
だが、来たメールを削除する癖がある燐に確かめる方法は存在していなかった。
内容は、火星の気候や仕事の進行具合等と言った、いつも送られてくる内容となんら変わりはない。
添付されていた画像は、新たに建設が開始された居住区の土台の画像。
その手前に両親が肩を組んでいたのが非常に印象的で、鮮明に脳内で表示される。
そしてそれから――隅っこに追いやっていた情報を引き出そうとするが、それまで変わり映えしなかった外の景色に異質なものが出現し、一切の思考を中断させた。
周囲の雰囲気と同化できていない、どこか浮いている、ドームのように天井が丸くなっている建物。
高さもそれなりにあり、十五メートルは有に越していそうだった。
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