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ただでさえ疑心暗鬼が広がる世界で、たった一つのミスで信用が失われることは少なくない。
この警察の件も、もちろん例外ではなく、信用を失うには寧ろ充分すぎるほどだった。
「寝ぼけてたとか、ないよな?」
問いかけた光太郎に、燐はかぶりを振る。
と言うのも、燐の網膜には、朝一番のニュース番組でキャスターが『犯人は警察官との情報があります』と辛辣そうに語っていたのが焼き付いている。
あれは夢ではなく、現実であることは間違いない。そう確信していたからだった。
「バッチリ覚えてるさ。そんで、俺と美奈は警察ってモンに疑問を抱いた」
もう言わなくてもわかるだろ、と言葉に出す代わりにコーヒーを飲み干した。
「燐と私からは以上。そろそろ話の本題に戻らない?」
美奈が言う。話の本題――メモリーカードの、その先の新たな情報。
「予想以上のことがわかった、そう言ってたよな?」
続いて燐が言った。
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