第一章

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旭は部活の途中だったらしく、すぐに別れた。 旭は陸上で顔の可愛さもあって好かれてはいるけれど、私には関係なかった。 ただ、エロくてお馬鹿さんの脳天気… 「……帰ろうかな…」 なんとなく重い足を引き摺りながら教室に荷物を取りに向かう。 ふと、聞こえてきたトランペットの音。 きっと友香と砂紀枝だ… それからフルート… あれは麻実かな? クラリネット…瞳のに千晴に… サックス…篤美ちゃん…紗耶香ちゃん… ゆっくりと視界がぶれていく… そう……私は吹奏楽部だった。 ほんの数日前…受験前だからと父が勝手に退部届けを出すまでは… 生徒会にも入っているし部活はパートリーダーだったため両立していては勉強に身が入らないといつの間にかに退部届けを出されていた。 ………悔し涙が流れる… もうすぐ全国大会だったのに… みんなと一緒に…行けたのに… 父親なんて大嫌い。 男なんて………
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