31人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
人混みを掻き分けながら人集りの中心へと突き進むと、囲まれている男が目に入る
「さぁさぁ御立ち会い
この俺と腕相撲で勝てる奴ぁいねぇか。勝てたら十万ゼルやるぞ。その代わり、負けたら一万ゼルを頂く。俺を負かして十万ゼルを頂こうって奴ぁいねぇか!」
ほほぉぅ…
腕自慢の輩か…
俺のこの太い腕(脂肪)に勝てるかだって?
近所の子供達(地球)と腕相撲して無敗記録更新中の俺に勝てるかだって?
てゆーか、俺一万ゼル持ってねぇし
って、その前にあんなゴツい奴に勝てる気しねぇよ!
あれこれ考えていると、俺の後ろで見ていた初老?の男性が、俺の肩をポンポンと 叩いてきた
「お兄さん。やってみては?
お金なら私が払いますよ?」
いやいやいや、あんなゴツい奴相手だと俺の腕が心配だ
下手したら、俺の腕があらぬ方向へひん曲がっちまう
てゆーか、あんた誰?
本当に誰?
「無理。俺、脂肪の塊だし」
あぶない危ない
あんなゴリラみたいな奴に勝てる訳ないだろ
さては、俺の腕が明後日の方向を向いたらゲラゲラとあざ笑う気だな
そーは問屋は卸さないぞっと
最初のコメントを投稿しよう!