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高校に入学してから、二回目の春。 僕は高校二年生になり、旧クラスで配られた新年度のクラス名簿を見て、周りではしゃいでいる同級生達に気づかれないようにそっと、細く短い溜め息をついた。 残念な結果に落胆したわけではなく、期待通りの結果に安堵したわけでもない。 いや、ひょっとしたらその両方なのかもしれない。 とにかく僕は、僕と同じ理系私立大学志望クラスとなったその女子生徒の姿を新しい教室で確認し、改めてもう一度細く短い溜め息を吐き出すのだった。 「やっほ、遥人。まさかまた同じクラスになるとはね。これはもう腐れ縁としか言いようがないね」 僕が着席するや否や、先に教室でとある女子生徒と談笑をしていた礼子は、それをやめて僕の席に近寄り今年度最初の挨拶をくれた。 「たった二回で縁が腐ってるなんて決め付けるなよ。高校生になってから出会って、俺らはまだ高校生だ」 「二回じゃないよ、三回」 礼子の訂正に、僕は首を傾げる。 「一年生で同じクラスになって、同じ部活に入って、二年生で同じクラスになる。ほら、三回でしょ」 自信満々に答える礼子に、今度はわざとらしくはっきりと、溜め息をついて見せた。  「確かに、礼子達とは高校を出ても長い付き合いになりそうな気はする」 「ほら、だから今から縁を腐らせておいても早くはないんだって」 言っていることは無茶苦茶だけれど、僕は少し楽しくなって、礼子と二人で声を上げて笑った。 でも、すぐに周りからの視線を感じて、僕は沈黙した。 見られている。 彼女が、こちらを見ているのに気づいた。
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