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この物語を語るにおいて、まずは和久津 寄依(わくつ きい)について説明するべきだと思う。
中肉中背、茶髪のショートボブで細い目付き。そして何より揉みごたえのありそうな胸が印象的。
仕事中の和久津は私服で、さらにラフな格好をしているが、職業は占い師で、天王寺(てんのうじ)の街で不定期に場所を変えて店を開いている。
その人気は女子高生、一条(いちじょう)の周りでは流行りになる程のものらしく、だから閑古鳥が鳴いているわけではなさそうだ。
そして、その占いはとても当たる。
良くも悪くも、当たる。
占いが当たると同時に、悪いものが当たるのだ。
その占いに、数々の人が犠牲になった。
和久津 寄依。
曰く付きの占い師である。
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