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「そういえば、明日から転入手続き出来てるからな~朝少し早目に出て職員室に行くぞ。まぁ、担任はあおいだから緊張する必要もないだろう。社会科は俺が担当するクラスだし」
「学校に行かせてもらえるんですか…?私、何歳かも分からないのにですか?」
確かに、記憶喪失のユウは何歳かは分からない。でも、見た目からして高校生だろう。17歳くらいにしか見えないのだから上滝学園の2年生として編入出来る様に理事長に頼み込んだのだから……早とちりだったか……?
「学校……行きたくないか?17歳くらいだと思って勝手に編入手続きしてきちまったんだが……」
「……いえ。嬉しいです……普通に暮らせると思っていなかったので……すごく嬉しいです、兄さん」
口を両手で押さえながら涙を零すユウに俺は勝手だったけど編入させて本当に良かったと思う。
「あっ……あと制服だけど、あおいに頼んでユウのサイズを教えて貰って用意しといたからな」
俺は、紙袋に入ったままの制服をそのままユウの方へと差し出すが、ユウは受取ろうとしないのでユウの顔を覗き込むと真っ赤な顔をしてプルプルと震えている。
「ど……どうした……?」
「兄さん……。兄さんは、女性に対してやってはいけない事をやりましたね……」
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