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(………やべぇ。ばれた。)
暁は一人冷や汗を掻いた。
自分の隊の部隊長と部隊長補佐が二人そろって本部を後にしたので、 これは仕事だ!と思い飛び出したのだが、銅ランクの暁に情報がわたるはずもなく…。
おまけに暁の髪の色は赤である。とにかく目立つ。
(とりあえず人目につかねぇように駆馬盗聴してみたけど…やっぱばれてたなぁ…)
この後あのワーカーホリックの部隊長補佐に始末書の山を書かされると思うと悪寒がした。
いっそこのまま逃亡してしまおうかー……。
『おいいいいいい暁!聞こえてんのか!?あぁ!?』
「うるっせーよチンピラ部隊長!!音量考えろ音量!!」
『…………なんだ。やっぱ盗聴してたのかお前……相変わらず懲りないな。』
(か、完全にばれたぁぁぁぁぁぁ!!!)
残念ながら馬鹿である。
『暁仕事だ。今どこにいる。』
「え、今?えーと、S-26地区だけど…『ターゲットがそっちに向かってる!市街地に出る前に仕留めるぞ!お前なら地図無くてもその辺の地形は頭入ってんだろ?』
「ターゲット…」
暁の目が変わった。
『ランクはDランクだが、能力の使用が予測される。お前の役目はターゲットの足止めだ!戦闘は回避しろ!』
「ー…了解!!」
暁は笑う。
背中に大きな鎌を背負い、暁は飛び降りた。
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