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始まりは、フロリダ。
突如地域を壊滅に追い込んだ直下型地震をかわぎりに、常識を無視した災害が立て続けに起こった。
加えて起こった食料危機。そこから勃発した世界戦争。
人類はその数を激減させた上に、もう地球上に彼らの住める土地はごく一部しか残っていなかった。
『アンダーワールド』。
それがここー…唯一無事だったと言える日本に造られた人工都市の名である。
軍部と政部のはっきりした二大態勢。科学的に大きく発展した都市。
暁はその軍部の第7部隊に所属している。
「し、紫樹さん落ち着いて!俺は駆馬に頼まれたから感染者と戦闘をっ…!」
「ずりーぞ暁!てめぇが盗聴してたのが元凶だろ!?てかなんで紫樹はさん付で俺は呼び捨てなんだよ!上司だぞ!?」
「止めなさい見苦しい!」
紫樹は本日何度目かの溜め息をついた。
「いいですか暁君。感染者にとどめを刺すことができるのは部隊長補佐以上。及び戦闘に参加できるのは銀ランク以上という規定があります。」
「そーだぞー。少なくとも銅ランクのお前じゃ無理なの。わかったら修行しろクソガキ!」
「駆馬、黙らないと始末書倍にしますよ?」
「オカンかてめぇは!!」
「……そりゃわかってるけど。」
軍部ー…第7部隊は『特別警備科』と呼ばれており、主に感染者の討伐を目的として作られた部隊だ。
上から、部隊長、部隊長補佐の金ランク、その下に銀、銅、鉛というようにランク分けられており、暁は銅ランクである。
齢17にして銅ランクというのは異例の措置だが、本人はまったくもって納得していない。
『こちらF地点!残りの残党を確保しました!』
紫樹の腕のモニターに連絡が入った。
「わかりました。すぐ向かいます……駆馬!暁君!お説教はまたあとで。行きますよ!」
((まだ怒られんのか……。))
二人は肩を落とした。
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