深夜耳朶に響く聲

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優しい… だけど、怖い 逸る鼓動を押さえるように 胸の辺りを服の上から握りしめる僕に構わずに 叶は髪に 触れた 「大分 伸びたね 俺が、言ったから だろ?」 もう 背中まで伸びた髪の毛を弄びながら 叶は唇を耳に寄せる それは僕の弱い 仕草… 全部、全部知り尽くす叶 僕はただ瞳を閉じて 僅かな理性で反抗するだけ… 「違、う」 薄く笑って迫る叶に 床に倒されてゆく 「そんなに俺が好き?」 そう言って さっきとは比べものにならないくらい 激しいくちづけを落としてゆく
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