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それにしても、ずっと黙っているこいつとの時間がもったいない。
仕方がないから、こちらから質問。
「・・・名前。なに?」
「人にものを聞くときは自分からだよ。」
正論だが・・・ひねくれてやがる。
・・・でもまぁ、こういうときは素直に答えるのが一番だ。
「No.10。又は、沖田 蒼暁(おきた そうあ)。」
僕の名前は『No.10』という名前とは言いがたいものと、歴史上の人物である沖田総司にあやかった苗字と名前がある。
名前は・・・思い出せないけど、誰か信頼できた人に、小さい頃もらった記憶がある。
・・・最も、No.10で呼ばれることが当たり前で、親近感を持って呼ぶものはいなかったが。
「えっ・・・」
「性別は女。・・・これだけ言えば、充分か・・・?」
そういって暫くするも、返答なし。
・・・イライラしたから蹴り返してやった。
「いっ・・・?!何すんのさ!!」
「仕返し。早く言え。」
蹴られて尻餅をつき、やっと現実に引き戻された青年。
と、ここで初めて青年の大体の容姿が明らかになった。
少し長めの髪は茶色っぽく、少しくせっ毛。目は純粋さが覗く黒い光を帯びた目。着ている服は・・・藍色の着物。
「僕の名前は、沖田 総司。・・・未来から来たなら、僕の子孫ってこと?」
・・・沖田総司?
「違う。僕は・・・」
お前の子孫ではない。
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