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弱ったな、と青年は溜息をついた。
どうせ長い休みだからと不精で刈りに行かず、少し伸び気味の髪を右手でかき混ぜる。
そのついでに少しでも気持ちを切り替えようと崩れた着物の前を軽く正す。
林道を抜け、小高くなった丘から見下ろす目の前の景色は、あまりにのどかで穏やかなものだ。
緑に茶の織り成すその静かな濃淡も、今の彼には気を滅入らせるものにしかならなかった。
道に迷ってしまった。
認めたくはないが、こうなるともう認めざるを得ない。
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