駆け巡るのは

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 お前を麻縄で縛ってやりたい。 「愛してる」 あまりにも、好く啼くものだから。 「本当に?」 あまりにも、甘く啼くものだから。 「勿論、」 嗚呼、そんな顔をしないでくれ。刃を突き立ててしまいたくなる。 「ココが好いの?」 掻き回してしまいたくなる。壊してしまいたくなる。きっとお前はあんな顔をする。 「・・・・・・可愛い」 ・・・・・・想うだけなら、只だと云うじゃないか。俺は俺なりに思っている。 「触ってよ、」 それが望ましいものでなかったとしても。 「もっと、俺を見てよ」 ――嗚呼、膨らむのは妄想という名のファンタジー。
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