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「堪ンない」
躰の感覚が研ぎ澄まされてゆく。目も、耳も、手も、鼻も、全てが感知する。甘い匂いが脳内を侵食する。眩暈のような、でも心地いいような。
「食べちゃいたいくらい可愛い」
思わず――喉を鳴らした。その血肉を貪り啜ってしまいたい。緋色の幻がチラついて離れない。頭を撫でながら、自らを宥める。
「ん?」
覗き込んで甘えるなんて反則。ああ、もう。
「――後悔、するなよ」
噛み付くように、キスをした。
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