一日目 運命のカケラ

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名前は優夏。俺と似たような名前だな。 親の事情でこっちに転校してきたらしい。どんな事情かって?そんなの知らん! 制服が静学のまんまなのは、急すぎて四季見高の制服が間に合わなかったらしい。 HRが終わるとさっそくクラスメイトに囲まれていた。俺が。 「彼女とはどんな知り合いなんだよ~!!」 と大樹に襟をつかまれ、ブンブン振り回された。 「さあ、吐け!!吐くんだ!!」 「や、やめろ…本当の意味で吐いちまう」 そう言うと大樹は襟を放した。 「どういう関係だ!!」 周りにはクラスのほとんどの男子。むさくるしいな。 「どんな関係だっていわれても、朝会ったばっかりだし」 「じゃあ、なんだよ運命の人って?」 「知るかよ!彼女に聞けよ」 と言ってみんなで左の席に座っている彼女を見る。 元々左の席には大気が座っていたのだが、竹中の余計なお世話のせいで、大気は後ろの席に追いやられ、優香が隣に来たのだ。 優夏も女の子たちに囲まれ、色々聞かれている。 ちょうど同じようなことを聞かれてたのか、 「探していた運命の人なんです」 と答えていた。 「じゃあ、朝、会ったってことは信じよう」 信じようとかじゃなくて、事実ですから。 「どんなシチュエーションだったんだ?あんなに彼女はときめいてるんだから、劇的だったんだろうな?」 「いや、そうでもねーよ」 と言って俺は朝の出来事を話した。 「な、な、なんて羨ましいシチュエーション!!」 と大樹は興奮していた。 「曲がり角でゴッツンコ出会いが漫画やアニメ以外で起きるなんて!! パンは!?パンは咥えてたか!?お前まさかパンツ見たんじゃねーだろうな!?」 「なんだよそのこだわり!少しは落ち着けよ!!」 「ゲフッ!!」 見事に決まったボディーブロー。そうして、大樹は沈んでゆく。 「お前なんて呪われてしまえ~」 という言葉を残して。
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