一日目 運命のカケラ

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それからも大変だった。 彼女は本当に急に転校してきたらしく、まだ教科書すらもそろっていなかった。 つまり、隣である俺が教科書を見せることになる。周りの冷ややかな視線を感じながら。 無事午前の授業を乗り切り、昼休みに入る。 まずは昼ご飯の調達だ。いつも通り、購買でパンでも買って、大樹達と食べるか。 そう思って席を立つと、 「勇樹」 と声を掛けられる。声の感じでなんとなく誰だか分った。恐る恐る、後ろを向くとそこには優香が立っていた。 「話があるんだけど、二人っきりで話せる場所ってある?」 と言われた。教室のど真ん中で。 「お?もう告白するのか!?」 「なんであいつなんだよー!!」 「今日遅刻すればよかった~」 などなど、クラス中の視線を一手に集めていた。 あー視線が痛い。物理的に刺されてるみたいだぜ…… 「えーと、とりあえずこっち」 俺は彼女の手(服の裾)をとって校舎裏へと向かった。
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