一日目 運命のカケラ

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ああ、余計なことを考えてたら、速度が落ちてる。集中集中! 走る速度を上げる。マックススピードだ。 お?学校が見えてきたぞ!もう少しだ!! 右左上下を見ずに走る。安全確認がなんだ! こんな田舎町のこんな時間じゃ車なんか走っていないさ。 でも、ここでよく考えるべきだった。 確かに車は走っていないかもしれないが、自分と同じように遅刻しそうな人は走っていることに。 ドンッ!! と曲がり角から飛び出してきた女の子とぶつかった。 相手は「きゃっ」と小さく叫び声をあげてしりもちをつき、俺はかろうじて踏ん張った。 ぶつかった相手を見ると、静学の制服を着ていた。 静学とは隣町の、って言ってもそんなに遠くは無い町の私立高校である。 でも、なんでこんなところに静学の子が? って今はそんなこと考えてる暇はない、この子には悪いが、先を急がないと。 と思ったが、罪悪感の方が勝利し、とりあえず謝ることにした。
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