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……はい?
はい?ホワッツ?はい?何?何?なに?
何言っちゃってるの?
確かに可愛くて、こんな子から運命の人扱いを受けるのはうれしい。
でもね、出会っていきなりそんなこと言ってくるファンタジーな女の子とは関わり合いたくない。厄介な女は1人いれば十分です。しかし、そんなことお構いなしに彼女は続ける。
「今日の占いの通りだ!運命の人に会えた!!」
占いですか。そんなことに妄信する女の子にも関わりたくないね。
しかし、がっちり掴まれた手は解くことはできなかった。
そんな手を見ると彼女の手首に腕時計がまかれていた。
時間は……はっ!!
慌てて学校の方を見ると、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴っていた。時間的に予鈴のチャイムだ。
「あああああーーーーーーーーー!!遅刻する!!」
彼女は大きな声をあげた俺に驚いたらしく、握っていた手を緩めた。そのスキに手を解き、
「ごめん急がないと!!
俺は四季見高校の勇樹。なんか怪我でもしてたら連絡して―!!」
と叫びながら走り出す。しかし、連絡先や学年クラスを教えずに連絡するなどほぼ不可能だ。
「……勇樹」
と彼女はつぶやいていた。
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