一日目 運命のカケラ

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「遅刻したものは100回腕立て伏せだ!!」 と教室に入って早々そう言われました。 「げ、竹中」 思わず口からそんな言葉が漏れてしまう。 体育の教師でこのクラスの副担任。よりによってこの先生だったとは。不幸すぎる。 「あぁ?今呼び捨てにしたか?」 あ、ヤベ! 「いえいえ、滅相もない!竹中先生のことを呼び捨てにするなんて、そんな恐れ多いことできせんよ!!」 「そうか、わかった。じゃあ、さっさと腕立てをしろ!!200回な!!」 「倍に増えてる!!」 クラスのみんながクスクス笑い、中にはゲラゲラ笑っているバカもいた。そして、他には 「勇樹君、遅刻しちゃだめですよー」 と言ってきた女子がいた。あかりだ。クラスのみんながドッと笑いだす。誰のせいで遅刻したと思ってるんだよ!! 渋々、腕立てを開始する。 「ったく、お前のせいでHRの開始が遅れたじゃないか。あ~あ」 『あ~あ』 先生のあ~あに続いて、クラス中のみんなも一斉に言った。 なんだよこの連帯感!!なんでうちのクラスはこんなに無駄に仲がいいの!? 先生も加わって新手のイジメですか!?前もって打ち合わせでもしてたのかよ! 「勇樹いつまで腕立てをしてるんだ?暑苦しいから早く席に戻れ」 理不尽すぎる……
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