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「さて……、と。行くか」
勇者は、立ち上がる。
「……どしたの?イーシュちゃん、立ち上がって」
「うるさい黙れその名前で呼ぶなちゃん付けするな殺すぞ」
「いや、もう…、イーシュちゃんたら、照れ____」
パァン!と、少し軽々しい男の頬をギリギリに弾丸が通る。
「殺すと言ったぞ」
「ご、ごごごご、すみませんでしたっ?!」
「…ふん。お前はそうやってしているのがお似合いだぞ、クラシス」
「おぅふ?!ちょっ?!痛い痛い!イーシュちゃん痛いよ?!」
「痛くしているからな」
「やめっ!やめて?!」
「あーっ!イーシュちゃん、またクラシスさん苛めてる!めっ!」
「……ちっ」
「とか言いつつ止めてくれるイーシュちゃんが好きだけどね!」
軽々しい男こと、クラシスは、爽やかに笑う。
「黙れイケメン。イーシュと呼ぶな」
「さ、サーイエッサー!すみませんでした、アリスちゃん!」
「ちゃんは付けるなと……。まぁ、いいか」
「…………、はぁ…、行くか。………大丈夫か?ミーシャ」
「………、だい、じょ、ぶ」
「……、お前…、多分、私の1番の理解者だ…。お前が着いてきてくれて良かったよ」
「……あのアリスちゃんが、純粋な笑みを浮かべている……?!」
「れ、レア!レア物!記憶媒体!記憶媒体!」
「…お前らな…。……まぁ、いいか…。これも最期だ。行くぞ」
ミーシャの手を引くアリスことイーシュ。
「……最期は、やだ」
「…そうならないよう努力するか」
ふと、それに笑ったのは勇者だった。
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