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キキドさんは少し考えると、紅茶を机に置き、こう言った。
キキド「…二つ目はやってはいけない事は…一匹の魔物しか強くしない事じゃな。」
……少し俺に当てはまるな、バトルスライムとか…。
カイ「な、何でだ?」
俺が少し慌てた様に言うと、キキドさんは、落ち着け、と言いゆっくりと話始めた。
キキド「まぁ、これはただ単純に、そいつを突破されると負けるから、
と言う本当に単純な理由なんじゃがな。」
…なら、突破されないくらいに強くすればいいんじゃないか?
キキド「……ふむ、ここで、なら、突破されないくらいに強くしたら、良いとか思った奴はバカじゃの。」
…俺はバカのようだ。
キキド「…どんな物にも相性と言う物があっての?
…例えば、最強の魔法を使う魔物が居たとしよう、
その魔物はまず、魔法を使えば負ける事がないじゃろう、
じゃが、魔法系を無力化するスキルを持った冒険者が来た瞬間にそのダンジョンは負けるじゃろう。
何せ、そいつしか強い奴がいないのじゃからな。」
……成る程、これは帰ったら他の階層や魔物を強くしないとな。
カイ「よし分かった、ありがとうな、俺ちょっと、ダンジョン弄ってくるわ。」
俺はそう言いながら、パネルを展開させ、直ぐに帰還の部分をタッチする。
すると、体は黒い光に包まれ、何時もの声で帰還します、と言われたと同時に、俺はダンジョンへと戻って行った。
決してこれ以上話を聞きたく無いとか、そう言う事では無いのだ。
多分。
キキド「…はぁ………まだまだ話はあると言うのに…………………全く………………………最後の話くらい聞けば良い物を…」
キキド「復讐をした奴は今まで生き残っては居ない、と言う最後の話も聞かずに……………仕方ないやつじゃのう…。」
キキドさんが最後にこう言っていたのを、俺は知るよしもしなかった。
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