少年

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『名前…… 何? 私 スフィア… 』 其所まで言うと スフィアと名乗った 人物は 柔らかい笑みを称えながら 右手の人差し指で 少年の胸をツンツンとつついて見せた 「次は貴方の番ですよ」 と 言う意味だろうと 少年も自分の名前を名乗る 『俺は 神代 佑樹です…』 言ってから スフィアの顔を見ると 何やら 眉間に深い縦皺を刻み 薄桃色の唇を必死に動かし 上手く発音出来ずに困っている様子 『あぁ… あのね… 「ユーキ」で いいよ』 苦笑いしながら 申し訳なさそうに スフィアは 佑樹の名前を復唱した 『ユーキ 此から ゆろしく 願います』 何処で覚えたのだろう と思いながらも 佑樹はにこやかに返事をした 『こちらこそ 宜しくお願いします』 言ってから 「何をだ?」と言う疑念も湧いたが 兎も角 此処は 此で良いのだと自分に 言い聞かせ 湧いた疑念には 蓋をしておく事にした
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