少年

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スフィアは そのたどたどしい語りで この国の事を色々教えてくれた 先ず 此処は 佑樹が暮らしていた世界ではなく その世界で言う処の「あの世」であること つまり「死後の世界」だと言う そして 此処での死亡は 又次の世界への旅立ちに過ぎない事 但し「自殺」の場合と「他者を傷付けた(傷害)後の死亡」の場合は 魔族として転生してしまう事 この国を統治しているのは「王」であり 転生した人間は 皆 王に謁見しなければいけない事 「魔族」は 存在していても「人間」に「魔法」等の力は備わっていない事 ただ スフィアともう一人の人物 ディアムンド 彼等は 元々 この世界の住人で 生まれもこの国 だから彼等だけは 簡単な 其こそ「おまじない」程度の魔法は使えるらしい 『いきなり自分が死んでいるなんて言われても 納得いかないよ… 違う世界?魔族?……… 悪夢を観ているみたいで 信じられない… 本当は 何かのアトラクションで 実は「ドッキリ」でしたとか… そうだよ…誰かが 俺を騙しているんだよ でなけりゃ 死んでいるなんて… だって 身体も在るし 心臓の鼓動だって解る 何が何だか… 気が狂いそうだよ…』 佑樹の頭は パニックを起こしていた
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