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東京――国会議事堂。
本会議場では、総理と17名の大臣、それに460人の下院議員らによって、新しい法律をつくるための会議がひらかれていた。
議事堂の内外では、衛視(国会の警備をする人)たちが、要所要所に配置されて、国会の秩序(ちつじょ)の維持(いじ)や、不審者(ふしんしゃ)の侵入(しんにゅう)にそなえている。
正門には、10数人の衛視らが、規律(きりつ)ただしく居並んでおり、班長の春日井淳平(かすがいじゅんぺい)もその中にいた。
警戒(けいかい)のレベルは、本会議配置といって、これは天皇陛下や、外国の来賓(らいひん)がまねかれるときの次に高い、警備体制である。
そして、国会の外の公道では、警察官らによって二重に警備されており、この日も、とくに異常(いじょう)はみとめられず、おだやかに時間がすぎようとしていた。
しかし、それは1台のトラックによってやぶられる。
突然、おおきなエンジン音をとどろかせながら、1台の4tトラックが、いきおいよく突き進んできて、公道で制止にはいろうとした警察官たちを、つぎつぎとはねとばしながら、さらにスピードをあげ、国会議事堂の正門をつきやぶった。
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