第1章 テロリストと7体のモンスター

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正門を警備していた衛視たちは、狂ったように向かってくるトラックから、いっせいに飛び退いた。 暴走したトラックは、そのまま国会の敷地内(しきちない)を突っ切っていき、ようやく正面玄関の手前でとまった。 「……!」 緊迫(きんぱく)した衛視たちが、トラックをとりまく。 衛視は、国会の中では警察とおなじ権限をもっているから、この不法侵入した運転手を現行犯逮捕できる。 しかし、拳銃などの武器をもつことがゆるされていないため、人をはね殺すこともいとわない、このトラック運転手にたいして、用心深く、遠巻きにして中のようすをうかがった。 運転席には1人。メガネをかけたインテリ風の若い男がいるだけのようだ。 男はやけに落ち着いている。 それどころか、少しにやけたような顔をしながら、不敵にも衛視たちを見わたしていた。
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