愛佳症候群

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「好きな人…いる?」 そう聞くと痛いみたいな顔をしたあと、笑って言った 「…いないよ。」 この時、あたしは予感がした。 あたし、この人を好きになる 今までの恋愛なんて恋愛じゃなかったみたいに。 きっと、この人に夢中になる。 「はい、診察は終わりー。また見せに来てね」 「先生は日曜日とか空いてるの?」 「空いてません」 即答で言われてしまう 「…デートしない?」 「近場で愛佳といたら援交と間違えられる」 「先生、そんなに歳には見えないけど?」 「はいはい、次の診察があるから帰ってね」 追い出すようにカーテンを閉められた なんだよ、付き合うって言ったのはそっちじゃんか あたしはカーテンを閉められたまま、言った 「先生の頭の中、あたしでいっぱいにしてやる!」 先生はブハッと吹き出していた 本気だからね。 言っとくけどあたし、狙った人は逃さないからね
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