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「愛佳」
遥かに遠い所で名前を呼ばれた気がした
「愛佳」
「…ん?」
うっすら目を開けると、そこには先生の不機嫌そうな顔
「…おはよ」
「呑気なこと言ってんじゃねぇよ!もう7時だぞ!」
…あ、本当だ
外は真っ暗
「…仕事は?」
「終わった。皆帰ったからお前も帰るぞ」
うわ…夜の病院って怖い
でもここは整形外科だから…
「先生も帰るの?」
「帰ります。俺には家があるので」
「…実家暮らし?」
「1人。ほら、靴履け」
そう言われてヨロヨロと靴箱へ
…あれ、あたしの靴ない?
あるのは大きいローファー
「はん?何で」
「…間違えられたのかな?」
「…あ、今日、お前と同じ高校の男子来てたな」
「えぇ!?男子だよ?間違える?」
「ファンとか」
ファンって。
大体、あたしの靴に入ったのか
あたしのローファーが心配だ
「じゃー、それはいて明日聞いてみろ」
「えぇー!?これで帰るの?」
もちろん、入る
入るけどガポガポだ
「…はい。」
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