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豆電球だけが照らされている部屋。先ほどまで眠っていた大吾は、ゆっくりと半身を起こし、しばしボーッとしていた。暫くして、重い身体を起こすように立ち上がった。
「あなた・・、本当に断るの?」
台所についた大吾は、照明のついた部屋を茶の間と、神妙な口調で話す声に疑問を覚えた。
「断るしかないだろ・・。あの話は我々人界派がやるべきではない。」
聞いたことのない単語が耳に入り、先ほどの疑問が好奇心へと移行しているようだ。大吾はその場に、息を潜めながら立ち尽くしていた。
「だって、この仕事をやらないと。あなた・・」
母の声は泣いているように聞こえた。静寂となった空間の中、大吾は足音を消すように自室へと戻った・・。
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