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そしてゆっくりと青年に銃口を向ける。
その一連の動作を不敵な笑みで見ていた青年は余裕を見せた表情で言う。
「撃つのか?」
その余裕な言葉を受け、恰幅の良い男は確信をついた疑問を投げかける。
「お前・・もしかして現人神か?」
間もない即答
「だったらどうする?」
刹那、トリガーが引かれ発砲音が部屋中に響き渡る。だが射撃された場所を見ても青年はいない。
「くそ、どこいきやがった?」
「お前の正面四十五度下斜めだ」
瞬間的な速度でいつの間にか相手の懐をついた青年は渾身の一撃を決める・・のではなく、急に立ち上がり中年男の目を見据える。
その行動に危険を察知した好青年は、険しい表情で手から発してる雷を青年に当てようとする。
その稲光に半ば驚きを覚え、少々落胆の溜息が漏れる。
「チッ・・。あの野郎ハッタこきやがって。」
「しゃがんで下さい!!」
・・しかし、中年男は動かない。虚ろになった目のまま正面を見すえている。
いつまでも反応が無いことに動揺する。
「何をした?」
今までの声よりもトーンを落とし、脅すような口調で問いかけた。
それに対し青年は相変わらずの不敵な笑み。
「なぁに、大したことはしてないさ。ちょっと夢の世界に・・ね。」
一歩、また一歩。青年は前に進む。メガネをかけた男は依然険しい顔をキープしているが、未知の力に細かく体を震わしている。
「く、くるな」
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